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東京オリンピック2020の観戦チケットを払い戻した話

11月30日の11:59が払い戻し手続きの〆切とのこと。

実は当選してたんだけど、泣く泣く払い戻しの決断をした、という話です。

 

東京オリンピック開催を信じて疑わなかったあの頃は

タブレットで観戦チケット抽選専用サイトにアクセスして40〜50分ほど待ちぼうけ、

東京に日帰りで行くなら日曜午後の昼間の競技だろうと選別して、応募する競技と席種を選び、

応募したチケットが万が一全て当たってしまった場合に支払い可能なだけの懸賞に賭けた。

 

4分の2、つまり半分当選して、

競泳飛び込み女子3m級の決勝観戦チケットを2枚、手に入れました。

 

これはやっぱり、嬉しかったですね〜。

なんか、運を使い切ったかも、とか思った。

 

観覧予定者の名前を2枚分どちらも登録しなければならなかったので、

両親の名前を登録して、来年の夏に2人で行っといでよ、って言ったのが去年のこと。

 

数少ない年賀状をやり取りする友人と、あたしオリンピックのチケット当選したよー、

あたしも当選したよー!って自慢しあったりしてた。

自分としては親孝行の機会になったと思っていた。

 

こんな未来を誰が想像したよ?

 

観に行けるものなら行きたいと思っていたあの頃は

うちは母親がインドア、父親がアウトドアな人たちで。

お母さん気張って行ってきぃやぁ〜お父さん喜ぶでぇ〜とかなんとか、

母親を鼓舞したり(母は人混みが苦手)していた。

 

新型コロナが世界を席巻するようになってからも、延期が発表されてからも、

流石に両親を行かせず、自分が行くのならアリかも…?と、

思っていた時期もあった。

有名人が亡くなられたり、ショッキングなニュースもあったけど、

日本国内だけで新型コロナのニュースを見ていると、

私の棲息域では、いつかの東京オリンピックを夢見るぐらいのノンビリ感があったのである。

 

観覧なんてトンデモナイことなのかもしれないと思い始めたのは

段々と、そういう考えになっていったような気がする。

 

新型コロナのニュースで印象に残っているのは、海外での罹患者数とか、亡くなられた方の人数の規模。

10万人とか聞くと、ゾッとしてしまって、現実味がない。

国の大きさもあるんだろうけど、それにしたって。

単純に恐怖を覚える。

今でも、一体どないなってんねんって、怖い。

 

そしてGo To トラベル。

経済を回すために、たくさんの人たちがそれぞれお金を使うのが大事なのは分かる。

でも、それって全国を対象にして人がウロチョロ動き回るのを促す必要があった話なの?ってずっと疑っている。

 

地元を、地元のみんなで潤し合うような、そんなキャンペーンが良かった。

地元旅館に泊まろう、地元の料理屋さんで美味しいもの食べよう。

2020年上半期の終わりの頃は、そんなPRが地元でもそこかしこでされていて、

いいなぁ行ってみようかなぁって、ワクワク調べたりしていた。

自分は結局何も利用しなかったんだけど、知り合いによっては自宅からそんなに離れていない温泉旅館に泊まったり、

地元再発見〜って楽しそうにされてた。

遠くにいく機会がなくなったから、地元で余暇を楽しんでみようか、って。

試行錯誤していたし、今もしている。

 

だから私は正直、Go To トラベルが今すぐにでも終わって欲しいと思っている。

うちの地元は観光地で、観光客は大事な収入源で、でも、

地名がよりどりみどりなナンバープレートを提げた車を地元で見る度に、

頼むよ、来ないでくれよ、って思わずにいられない。

引っ掻き回さないでよ、いつかまた、他人の吐く息、剥き出しの手が、怖くなくなった時に来てくれよ、

そう思いながら、どうにもやるせなくて、見慣れないナンバープレートを凝視する。

自分が絶対正しいとは言えないから、述べる言葉を失くして、ただ見ることしかできなくなる。

 

私にとっては、Go To トラベルはある種の踏み絵で、

「Go To トラベルで旅行したよ☆」って楽しそうにしている知人・友人はもう、

踏んだ人々、どうやら価値観の違う人々、そういう認識になりつつある。

 

余所者を忌避する自分が余所者になれるのか

価値観が違ったり視点が違ったりするだけで、

じゃあ実際のところ自分は活動を極力最低限に抑えられているのかというと、

もちろんそんなことはない。

ほぼ地元という限られた空間だけど、バイクに乗ってウロウロしているし、

祖母の家にも顔出すし、料理教室でパン作りとかしている。

ちょっと前までは二輪車の教習所も通ってたし、デパコスを買いに行ったりもする。

高価な仕出し弁当とか奮発して、自宅でグルメを楽しんだりもしている。

 

でも、遠方まで足を伸ばして慰安旅行って気分にはどうしてもなれない。

バイクに乗ってウロウロ、車を運転してウロウロは平気だけど、

電車とかバスはどうしても不安。(普段全く利用しない為)

 

じゃあ、結論、

東京で、どれだけ人々が集まるのか分からないけど、様々な出自の人間が集合してサラダボウルと化す可能性が高い現地で、

落ち着いてスポーツ観戦なんて出来るわけないじゃん。

と、

なった。

 

地元にいて、外部からドンドンと訪れる人々を忌避する気持ちでいっぱいいっぱいなのに、

自分はその余所者になりに、よそに行けるのか?

そう考えたら、それは無理だよねって。

 

当の両親も、拭い切れない不安がやはりあったようで、了解をとってキャンセルをする運びになった。

 

後悔できる来夏がくれば、それが一番いい

チケットキャンセルしなきゃ良かったなって、いつか思えたなら僥倖なんやけどね。

そう思える来年の夏じゃ、ないだろうと思ったからキャンセルしたわけで。

 

あんまり楽観的になれない。

行動を臆するほどに悲観的にもなれないけど。

ワクチンが普及すればいいけど、なんかそれもイマイチ期待できずにいる。

 

あーあたし全然見通せてなかったわ〜、チケットキャンセルせんかったら良かったわ〜。

そう笑えたらいいのに。

ほんまに。

 

以上です。