のりログ

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邦画「カメラを止めるな!」(2017年)を観たので感想

kametome.net

(←Amazonリンク)

超話題になっていた時分には「いつか観るから絶対ネタバレを目にしないように」と心がけ過ごしておりました。

トレイラー映像さえ見ないようにしてた。

やっとこさ観たのはAmazon Prime対象になっていたからです。

ちまちま守銭奴です、はい。

 

お芝居にはお芝居のコードがある

難しい演劇論は分かりませんが、そんなことを思いました。

前半ぶっ続けで展開されるお芝居とアナログな演出が、妙な緊迫感を持って迫ってくるのが楽しかった。

これまさに、ライブで観る舞台演劇の感覚やん。

 

特に小劇場の舞台演劇に顕著だなぁと思うのですが、客席の前で進行するお芝居や演出だけが舞台を迫真にするのではなく、観ている側が眼前の芝居に対してどれだけ思考を委ねられるか、反応できるか、が大事な要素だよなぁと。

だからライブの芝居に入り込むのは演者さんだけじゃなくてお客さんも、入り込めたりそうでなかったりするのが、また面白いところだよなぁと思うのです。

 

この「カメ止め」では、前半にB級ゾンビ映画的ドラマが展開され、後半にその種明かし的くだりがあります。

すごい親切な構成だと思いました。しかもエンドロールは本物の舞台裏映像が流れますよね。

 

こうやって作ったんだよ、っていう種明かしが既にドラマでした。

大人がいっぱい集まってあれだけの1発勝負(ですよね?)を成功させるという一連が、最早ドラマです。

それを惜しげもなく公開して、それがコメディ色強めの本編と全く遜色なく、異なった見応えがあって、新感覚のロードムービーでも観ているかのような気持ちになった。

 

  1. 前段、B級ゾンビ映画
  2. 後段、そのゾンビ映画が出来るまでのコメディドラマ
  3. 終幕、以上を制作するに当たっての本当のプロフェッショナルな舞台裏

 

この三段構成で、それぞれ異なった面白み・楽しみがありました。

特別な演出や、迫真の演技や、そういう格式高いものは全然なかったけど、(むしろ意図的にチープ感を出されていた感はあるけど)

色々な角度から感性を刺激しにかかってくるような映画で、観終わった後の満足感はかなり高かったです。満足した。

有難いエンタメでした。デジタルな演出に頼った映画でない、むしろ徹底的にアナログより、というのが現代においてはこんなに新鮮に見えるんだなぁと感じました。

 

監督役の俳優さんのコメディアンな一声々々がいちいち面白くて笑った。めっちゃ好き。あぁくしょん!

そしてプロデューサー役のどんぐりさんという女性、存在感が素晴らし過ぎる。あつあつポイント(笑)私も使いたいそのフレーズ(笑)

 

演劇表現って面白いんだよ!って伝わってくるような映画でした。

増えたのではないでしょうか。触発された方々によって演劇人口が。

だとしたら面白い作品が世に出る可能性がますます増えるということで、一消費者にとっては嬉しい限りです。

 

以上です。