鹿児島へ慰安旅行に行って来た感想
国内遠方なら空路が便利
新幹線より断然便利です。体も楽です。
ただしこのところスキャンダル続きの伊丹空港の保安検査場、案の定の大混雑でした。
テレビカメラまで撮影にきてた。
地元でも珍しい「どかばい」
到着直後の鹿児島は生憎の豪雨で、早速の昼食休憩にちょっと屋外を歩くだけで参加者みな一様にずくずくの濡れネズミになってしまいました。
幸いなことに、昼食を終えて外に出たら雨は上がっておりました。
後から地元の人に伺ったら、この日は地元でも珍しい大雨で、どかばい(大量に桜島の火山灰が降り注いだ)だったそうです。
どかばい…面白い表現です。
ちょっとだけ降った、とか表現する言葉ってあります?「ちょこばい」とか…と伺ったところ、そういう表現はないとのことでした。
「今日、灰マシだったねー」などは日頃言うそうです。
ちょこばい、割とウケました。ちょっと嬉しい。
島津氏別邸跡と庭園『仙厳園』
まさにお名前の通りのスポット。名前に表れていないのはその広大な敷地。
じっくり歩いて回れば1時間以上はかかります。
中にはギフトショップやレストラン、カフェなども併設されていました。
桜島がよく見えるので、名跡を眺めては桜島に見惚れて、また名跡を眺めては桜島を堪能して、そんなこんなしながら一周ぐるりと見て回りました。
NHK大河ドラマ『西郷どん』のロケ地も沢山あり、屋内には渡辺健さん着用のお衣装やらも飾られていたりするので、ファンの方にとっては聖地かもしれません。
仙厳園の正面入り口から車道を挟んだお向かいの、セブンイレブンの駐車場脇にある謎の記念写真撮影台?の様なスペース(休憩スペースの巨大ベンチにも見える)から眺める桜島が個人的にはベストでした。
近所にオサレなスタバもあるので、そこでテイクアウトしたコーヒーをここで飲むのもいいでしょう…。(神戸北野異人館のオサレスタバを彷彿とさせるオサレぶり)
実際に目にするまで知りもしなかったのですが、桜島ってずーっとモクモク噴煙を噴き出し続けてるんですね。
それで地元の人が、雨の話をするかのように降灰の話をする。
私が日頃目にする『山』とは存在感が全然違いました。
桜島の話をしていた貸し切りバスの運転手さんがポソっと
「噴火する度に形が変わる。山肌が溶岩に削られてるんですわ。昔はあんな形じゃなかった」と仰ったのがとても印象的でした。(方言が正確じゃないかもしれないのはご容赦)
夜の宴席に来てたコンパニオンのお姉ちゃんも
「原付に乗ると顔とか真っ黒になるんですよ!あと洗濯しても灰って落ちにくいんですよ!」
「白い服を着てる人はもう勇者ですよ!」と熱弁してました。
全然関係ないけど地元の人と喋るの本当に面白いですよね。
これホンマ旅行の醍醐味。
宝石的きらめきの切子にウットリ
仙厳園の駐車場の傍に切子の工場(見学可)があったので隙間時間に散策しました。
切子のグラスで良いのあったら欲しいなー♪って気楽に覗いて仰天、グラス1つ大体5万円はしていました。
しかし工場を見学して、各工程にかかる手間と関わっている人間の多さを目の当たりにして、値段が高価になるのも当然のことだなと納得しました。
1つのグラスが出来上がるまでに少なくとも5~6人の熟練工の手がかかっていると考えれば、5万円前後の値段も仕方ない。
でも買えない。
うっかり落としたら割れてオジャンになってしまうグラスに5万円をかける金銭感覚は私にはない…。うぅ…。
工場に展示されてた触り放題の切子を思う存分に撫で回して留飲を下げました…。
ツルツルしてて気持ちよかったです。
知覧武家屋敷庭園
現在も居住者のおられる家が多数入り混じる武家屋敷群。
現在はほとんどの家屋が瓦屋根葺きになっているが、元来は茅葺屋根であったようです。
武家屋敷庭園にある一部の建物は現在も茅葺屋根です。
この庭園内にある家屋の全てが建築当初の既存の外観を保持していたなら、それはもの凄い迫力やったやろなぁと少し妄想。
お名前にあるとおり、武家屋敷群の庭園を見させていただくスポットです。
緑が活気づく暖かい季節のほうがお庭の植物が美しいかもしれません。
知覧特攻平和記念館
知覧という地名に聞き覚えがあったのはこのためか、とこちらに赴いて気が付きました。
欧米の観光客もツアーで多く訪れられているようでした。
この一連の展示を見て外国人はどんな風に感じるのかなぁと、いつか機会があれば聞いてみたい。
実際に特攻した飛行機(引き揚げられたもの)も展示されており、その大破した有様には言葉を失いました。
特攻に赴いた隊員たちの日頃の生活風景を写した写真、遺品、大量の遺書、アメリカ軍が記録した特攻の記録、数字データで見る特攻の記録…
記念館は、遺された人々が後世に史実を伝えようとした思いの塊のようでした。
印象的だったのは大西瀧治郎という特攻隊を作り上げたとされる人物の遺書です。
展示品の紹介文に「終戦翌日に自死」とあり、そのような人物がどんな言葉を残したんだろうと読ませてもらったところ、自分が想像していた「特攻隊を作り上げた」という人物像からとてつもなくかけ離れた人、という印象を受けました。
私がこのとき目にしたのは殉じた特攻隊員とその遺族に向けられた遺書でした。
インターネットでも全文あげられているので、興味のある方は探してみてください。
郷土の戦争史を紹介するコーナーには西南戦争にまつわるものも多くあり、ここは鹿児島だものなぁと改めて実感しました。
これが慰安旅行だったから貸し切りバスでさっさと運ばれて行ったわけだけど、個人の単独旅行だったら見終えた後しばらく考えこんじゃって動けなかったかもしれない。
焼酎蔵「さつま無双」で焼酎工場見学と買い物
慰安旅行っぽい行程。
これまで芋焼酎あまり好みませんでしたけど、この旅行で苦手意識克服したかも。
工場でグツグツぽこぽこ発酵する芋焼酎はまさにお芋色でした。
蒸留行程で最初に取れる焼酎を「ハナタレ焼酎」と言うそうで、試飲してビックリまさかのアルコール度数44度!!
これ原液で試飲させるとかもう鹿児島の人コワイ!
飲んでから数分は喉から胃袋までカッカと熱くて仕方なかった。
地元女子に聞いた飲み方で、焼酎瓶を開けてしばらくストレートで飲んで量を減らしてから水を注ぎ足して瓶の中で水割りを作り嗜むこともあるらしい。
何その飲み方コワイよ!
ちなみに漢字で「初垂れ」と書くそうな。なるほど。
現地の工場限定販売!ってことで皆様旺盛に買われているようでした。
帰路、鹿児島空港へ
お土産コーナーがかなり充実しているので、かるかんや薩摩揚げ、お芋スイーツなど食べ物関係、ご当地Tシャツなどの土産ならば空港で十分買い揃えられると思います。
切子や屋久杉の小物、焼酎などをお求めの場合は、空港では充実の品揃えは見当たらなかったので注意です。
手持ちのkindleタブレットで、「特攻 大西」と調べてヒットした電子書籍を読みながら帰路についたのですが、乱気流で大揺れの飛行機の中で関連書籍を読んでたら猛烈に気分が悪くなってしまいました。
読書環境もその内容もタイミングが悪すぎた。
感想まとめ
訪れる度に、九州は異国だなぁという実感を持ちます。
文化の違いがとても多くて、発見したり驚かされたりすることがとても多い。
ご飯も美味しい。
今回は美味しいお魚と黒豚と薩摩揚げとお芋に出会えました。
ところで九州はサツマイモじゃなくて唐芋ってよく言われますね。
これも私にとっては面白い発見の一つです。
今回すごく面白く感じたのは地名。
「頴娃」(えい)
「原良」(はらら)
など、見たことない漢字や予想外の読み方の地名にテンションあがりました。
一方でものすごくシンプルな地名も多くあって、なんで?どうして?と興味津々。
頴娃の語源は定かでないそうですが、奈良時代の史料からその表現が見つかっているそうです。古いなー。
あんまりキャイキャイ頴娃ってなんぞや言うてたら貸し切りバスの運転手さんが調査文献みたいなのプリントしてプレゼントしてくれた。
ありがとうございます…!
今度詳しい人に見せてみよう…。
今回はプライベートの旅行ではなかったので好きに動き回ることが出来なかったのですが、それでもかなり充実して過ごすことができました。
発見と驚きのある旅行、最高です。
以上です。