松竹シネマ歌舞伎、坂東玉三郎×鼓童「幽玄」鑑賞しました
ご尊顔拝見は先の3月に遡る
坂東玉三郎さんってホンマ綺麗すぎてもう、なんやろ、ほんまもんの、天女さん…?
10年来、舞台を拝見してみたいなぁーって思い続けて念願を果たしたのは先の3月の京都南座公演でした。
京都生協の特別枠っていう(笑)ローカル主婦御用達ルートみたいなんで当たりました。
二階席の2列目。まぁまぁな御席。双眼鏡ばっちり持参しました。
坂東玉三郎の特別公演観劇ツアーの団体の皆様がいらっしゃったり、会場内で販売される坂東玉三郎グッズの美麗さに目の眩んだ女子達のお買い上げ合戦や、生写真の注文受付コーナーなど、見慣れぬ風景に揉まれつつ観劇しました。
しっかし、まー本物の坂東玉三郎さんの美しいこと。
超絶豪華絢爛な拵えに勝ちも負けもせず、しっくり収まって舞う姿の、天上感。
夢幻かと思うほどに坂東玉三郎さんの所作が細やかで、繊細で美麗な光景が淡々と繰り広げられておりました。
あまりに繊細な芸事に、終幕間際に一瞬寝落ちしてしまったほどです。
まぁ坂東玉三郎さんの舞を観ながら現場で一瞬寝落ちってスッゴイ贅沢してしもたわけです。
これぞ夢の中で夢堕ち。
そして当時の観劇直後に、南座の券売窓口でシネマ歌舞伎の前売り券を購入したのでした。
一瞬とはいえ寝落ちしたくせに!(笑)
坂東玉三郎×鼓童「幽玄」松竹シネマ歌舞伎
公演当時、大阪梅田駅にどかーんと坂東玉三郎さん大写しの看板があって「行きたいいいいい!」って発奮したもののチケットが手に入らず、涙を飲んだ一本。
シネマで観れるとは有難い。そして超お値打ち価格。
実際に観劇する際のお支払の10分の1程度です。
京都ではMOVIX京都で10/17まで。全国公開中です。
私は、前売り券を購入した3月から7カ月越し、つい先日やっとこさ行って参りました。
朝9時に京都の新京極ですよ。もうめっちゃ爽やかにガラ空き。
ほんまに映画館営業してる?みたいな街の雰囲気。
そんな時間帯に坂東玉三郎さんのシネマ歌舞伎を見に来る人達ってどんな人たちやろ思ってたら、
皆様おおよそアラエイ女子(80歳前後)でした。全体で10数人のみの来場者。
私1人で1列全てを占領し、私より前に座っている人は皆無。
自分だけのスクリーンを眼前に抱いているかのような錯覚を覚え悦に入っておりました。
ちなみに映画館に行くことそれ自体がめちゃくちゃ久しぶりで、映画館ってこんなんやったなーとか隔世の感のあることを思ったり。(映画を観る機会が減った上に、観るとしてもAmazon Primeで楽しむことがこのところ多い。ケチ心)
画質は思っていたより粗かった。これなら昨今の家庭用テレビのほうが綺麗…?
いや、特に画質の粗さを感じたのは宣伝映像だったので、本編は綺麗…だったのかな。
坂東玉三郎さん綺麗やなーの印象が強すぎて記憶が既におぼろげ…(笑)
で、映像の内容。
3本の演目からなる坂東玉三郎×鼓童「幽玄」の2017年9月公演の映像と、そこに至る坂東玉三郎さんと鼓童の歩みを映像にまとめたものでした。
ちょっとドキュメンタリーみたいになっている部分もあります。
そして、本編がとても長い。普通の舞台は幕の内弁当を食べる時間、中休みがあると思うんですが、あるかなーって思ってたらシネマ歌舞伎にはなかった。
これ結構辛い。
いや、中休みにポップコーン食べちゃおうって思ってたんもあるけど、集中力が続かない。
ほんで終盤、空腹でお腹ぎゅぎゅぎゅぎゅ鳴らしてすいませんでした…。
念のため太鼓の音が盛り上がってる時に鳴らそうと努めていましたが、どないやったでしょうか…。
坂東玉三郎さんが最も美しく見えるのはやっぱり舞ってはるときやなぁと思いました。
大画面で拝見して初めて気が付いたのですが、指先まで繊細に動かしてはりました。
歩行してはる時より、舞ってはる時の方が動作が流麗…すごいワザやなぁ。
映像作品中の第1部、「羽衣」では坂東玉三郎さん他10数名の歌舞伎役者が登場。体幹の非常に安定した役者さん独特の歩き方での滑らかな立ち振る舞いが見事。大スターの立役者が、歌舞伎界にはきっと沢山いはるんやなぁ。
2部、「道成寺」で玉三郎さんが前帯の上に小太鼓くっつけてツクテンツクテン叩きながら舞ったはるのがエライ可愛かった。
シリアスなシーンやったはずなんやけど。太鼓を打つ男性陣3人の中をくるくるすり抜けながらツクテンツクテン。かわいい。
3部、「石橋」では獅子が5頭、いや、獅子役の歌舞伎役者が5名登場。真ん中の獅子が玉三郎さんやと気づいたのはエンドロールが流れてからでした。えっ玉三郎さんて女形以外もやるの!?っていう驚き。ある程度予習してれば気づかないわけないのですが、自分はむしろ予習をあまりしたくないので、全く気づきませんでした。(オイオイ)
映画の予告編を今さら見たらちゃんと本編内容として挙がってる…。
まぁその、なんです、ちょっと寝不足でウトウトしてたっていう(笑)
歌舞伎は敷居の高いエンタメなのか
歌舞伎って触れたことのない者にはすごいハードル高めのエンタメに見えますが、私の入り口は漫画「かぶく者」でした。コンビニで見かけて一目惚れして買い集めてました。
この表紙。これですよ私が一目惚れしたのは。もーめっっっっっちゃ綺麗。
女形のスターとして登場する恋四郎というキャラがもうどう見ても坂東玉三郎さんをモデルにしてるのも良い。
ご本人のキャラクターとはかけ離れている感じもしますが、こんな玉三郎さん見てみたいよねって気もする。
惜しむらくは大人の事情っぽい突然の完結をしてしまってること。
もっと読みたかったなぁ…。話も面白くて絵も素晴らしくて最高でした。
とにかく、漫画がきっかけだったわけです。
で、最近はスーパー歌舞伎とか、今回のシネマ歌舞伎もそうですけど、歌舞伎が触れられやすくなってきてるのかなーと思います。
遠い人には相変わらず遠いのかもしれないけど。
私も難しいこととか分からないので突っ込まず気楽に観てるだけですけど、そんなんでもいいよね、芸事を究めている人たちの舞台だよ、衣装の見応えもスンゴイよ、客席で食べる幕の内弁当ってなんか旨いよ、でよいと思ってます。
だって本来エンタメですよ。楽しむのが何より一番大事。
一つ言わせてもらうならチケットがやはり…高い。
昔々、歌舞伎が大衆演劇だった頃はもっとお手頃価格だったのでは?
色々とお金がかかって、高価になるのは仕方ないのかな。
和太鼓集団「鼓童」の話
どうしても坂東玉三郎さんの舞台が見てみたいもののチケットが手に入らない日々が続いた昔、ご本人が演出のみ参加されてる和太鼓集団「鼓童」の京都公演に行ったりしておりました。
鼓童、カッコいいですよねー。
妹ちゃんと一緒に観に行ったんですけど、妹ちゃん「お尻が素敵…」と煩悩全開。
分かる、分かるよでも一応太鼓を聞きに来てるんだからねって言い聞かせましたけど(笑)
このポスターうまい具合にお尻ボカされてますね…。あかんそこ見るとこちゃう。
上腕二頭筋が皆さんカッコいいですよ!(それもちゃう?)
精悍な筋骨たくましい人々が太鼓を凛々しく力強く叩いてる姿を見て「健康的な肉体ってステキ☆」ってフツー思うわ。しゃあないわ。
むしろそれが健全やわ。
太鼓のみならず、笛や琴も織り交ぜて演奏されます。
今回の映像作品「幽玄」ではお口上も披露されてました。すごい練習されたんやと思います。プロやなー。
臓腑に響くドンドンドンって音が気持ちいいので、私は激しい曲調の演奏が好きです。
こればっかりはもう、生演奏を観に行くっきゃないので、興味ある方は是非。
YouTubeでも垣間見られるけど、鼓童は全国で公演やってるのでチケット獲得難易度もそんなに高くないはず。
まとめ
本来高価で日程も限られている歌舞伎の公演を観に行くのはハードルが高いが、シネマ歌舞伎だと自分の都合の良い日程で観られて利便性が高い。
舞台公演を観る際の視点とは異なった近距離での視点や、舞台袖アングルからの視点で公演内容が観られることが利点になる場合がある。しかしこの映像構成の手法が鑑賞そのものを助ける場合もあれば、鑑賞者の求める意図に沿った構成になっておらず、鑑賞行為の妨害をする場合もあるので、映像作品となったもので必ずしも作品内容を満足に鑑賞できる保証はない。
ライブで観られるのならそれが一番よい。
坂東玉三郎さんの舞はやはりとても美しい。
機会があれば自分も太鼓を思いっきり叩きたい。
以上。